お客様のメリット
- 軽量な部材と新しい接合法により屋内に短期間で木質空間を構築します。
- 屋内空間の用途やスパンに合わせてフレーム構成を自由に設計できます。
- 屋内での積極的な木材利用によって脱炭素社会の実現に貢献します。
技術の特徴
屋内では重機が使えないため人力施工が基本です。そこで取り回しのよい軽量な部材で、かつ部材同士を差し込むだけで簡単に接合できる軸材ユニットを開発しました。
軸材ユニットの構成本数を増やすことにより、柱や梁の構造性能を向上させ、最大スパン約8mの木質空間を構築できます。
軽量な部材で構成され、人力により運搬可能
梁や柱となる木質フレームを構築する軸材ユニットは、住宅の柱・梁に使われる中実断面製材の1/9程度の小断面製材4本を綴り材で接合した部材を基本構造としています。この軸材ユニットは、中実断面製材の重量の約1/2と軽量であり、搬送・揚重機械を使用できない屋内でも、人力で長尺部材の運搬が可能です。
新接合法により容易に組立可能
本技術では軸材ユニット同士を3方向から差し込むだけで、剛強な嵌合接合が可能で、構造体を支える柱、梁を構築できます。接合が簡単で、特殊な加工や接合金物が不要となり施工性が大幅に向上します。
一般的な製材や加工機を活用して製造可能
軸材ユニットを構成する製材は、一般の木造住宅で使用される小断面の流通材であり、日本全国どこでも入手可能です。また軸材ユニットの端部同士を差し込むだけの接合法により、高度なプレカット技術が不要となり、特殊な加工機を持たない製材所でも製造可能です。
4本が接合された軸材ユニット
3方向からユニットを差込む接合方法
実績・事例
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WOODRISE2021 での展示ブース
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柱-梁接合部
実績・事例詳細
適用実績
- 建物名称
- :WOODRISE2021 KYOTO展示ブース
- 用 途
- :展示用建屋
- 発 注 者
- :大成建設株式会社
- 竣 工
- :2021年10月
「T-WOOD SPACE Light」をWOODRISE2021KYOTO(国際会議)の展示スペース(3×3m)として設計・施工しました。地域産材の活用事例とするため、奈良県のご協力のもと、吉野産のスギ材を惜しみなく使用しています(木材量0.98m3、CO2貯蔵量0.56t-CO2)。
鉛直方向を支えるルーバー状の壁柱は内側が階段状に連結して構築されており、各段に展示物を設置できるように設計されています。各階段高さは、来場者が展示物を手に取りやすい、閲覧しやすくなるよう配慮されています。
4つ配置された壁柱の上部からそれぞれ対面にある壁柱に向けてアーチ状の梁が架けられ中央部で重なっており、軸材ユニットの長さを変え積層することで曲面を作り出すことも可能です。
「T-WOOD SPACE Light」は短期間での施工が可能で、イベントブースなどの仮設建築にも適しています。イベント終了後には解体し、別の場所で再度組立てして何度も利用できるだけでなく、組立方法によっては形状・寸法を変更することも可能です。
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上部から見た展示ブース
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2方向から送り出されるアーチ梁
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ブース内部にある展示用階段