お客様のメリット
- 様々な用途のRC造建築物に自然で温かみのある木質空間を創出します。
- 梁の構造性能を向上させ耐震性と上階利用者の歩行感や居住性を向上します。
- 積極的な木材利用によって脱炭素社会の実現に貢献します。
技術の特徴
脱炭素社会の実現のため,建築物への木材利用が推進されています。そこで木質材料と鉄筋コンクリート造建築物で用いるプレストレストコンクリート梁(PC梁)を一体化し、部材としての価値向上と環境負荷低減を可能とする梁部材を開発しました。
自然で温かみのある木質空間を創出
PC梁の表層両側面に集成材を配置することで豊かな木質感を実現しており、様々な用途の建築物に対し、自然で温かみのある木質空間を提供できます。また、地元産木材を採用することで、地方自治体等の木材利用ニーズの促進にも応えることが可能です。
構造性能を向上
集成材とPC梁を接続用ビスで一体化した複合梁は、梁全体の曲げ剛性(変形のしにくさ)が10~20%程度向上し、これにより曲げ耐力(壊れにくさ)も50%程度向上します。また、この複合梁を用いた場合、上記の効果により床の振動が10%程度低減され、上階利用者の歩行感や居住性の向上につながります。
環境負荷を低減
工場でPC梁製作に用いる鋼製型枠の代わりに集成材を利用するため、型枠の取外し作業等が不要となり、型枠材などの廃棄物発生も抑制することができます。また、木質材料はその重さの半分が炭素で構成され、成長過程で大気中の二酸化炭素を吸収して内部に相当量の炭素として貯蔵されるため、複合梁を用いた鉄筋コンクリート造建築物での木材利用を介して、環境負荷低減に寄与できます。
T-WOODPC-BEAMの断面構成
製品の様子
実績・事例
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古平町複合施設 「かなえーる」
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T-WOOD PC-BEAM
実績・事例詳細
適用実績
- 建物名称
- :古平町複合施設 「かなえーる」
- 用 途
- :庁舎、集会所、図書館
- 発 注 者
- :北海道古平町
- 設計施工
- :大成建設株式会社
- 竣 工
- :2022年1月
古平町複合施設「かなえーる」は北海道古平町の新庁舎で地上3階建、延床面積3387m2のRC造建築物です。建物内には庁舎オフィス、大会議室,図書館を備えており、地域の拠点となる施設となっています。同施設において、「T-WOOD PC-BEAM」は各階の床を支える小梁として、計約120本が採用されており、温かみのある木質空間を演出しています。小梁のスパンは12~14mとロングスパンで、集成材だけでは架け渡すことが難しいところをPC梁と合わせた複合梁として実現しています。「T-WOOD PC-BEAM」は、集成材が型枠と化粧仕上げ材の各機能を兼ね備えており、梁の工場製作時に型枠材などの廃棄物発生を抑制することができました。これにより省資源、省力化を実現しました。
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T-WOOD PC-BEAM の設置
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設置完了の様子
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竣工間近のT-WOOD PC-BEAM
社外表彰
ウッドデザイン賞2021 ライフスタイル部門:
2021年10月 ウッドデザイン賞運営事務局