お客様のメリット
- 「着床式」、「浮体式」ともに、設計・施工に必要な各種の解析技術を開発しています。
- コンクリート製セミサブ型基礎として、OO-STAR 浮体式基礎を開発しています。
- 水理実験や数値解析により、効率的で安全な施工方法や基礎構造を提案します。
技術の特徴
洋上風力発電設備の基礎構造
洋上風力発電の基礎構造には、水深50mよりも浅い場合に適した「着床式」と、それよりも深い場合に適した「浮体式」があります。大成建設では、「着床式」、「浮体式」ともに設計技術、施工技術の開発を進めています。特に、将来の施工海域の大水深化に対応するため、主にセミサブ型を対象に、鋼製およびコンクリート製の最適な基礎構造、施工方法について検討を進め、早期実現を目指しています。
OO-STAR 浮体式基礎の開発
Bouygues Travaux Publics 社(本社:フランス)、Dr. Techn. Olav Olsen社(本社:ノルウェー)と、日本の洋上風力発電市場向けにOO-STA浮体式基礎(コンクリート製セミサブ型基礎)の開発を目的としたMOU(覚書)を締結しました。両社が有するエンジニアリング事業及び建設事業の実績と、大成建設が有する総合力及び日本市場でのノウハウを融合させることで、本基礎の設計及び施工を最適化し、革新的で競争力のある総合的なソリューションンを提供することを目指します。
OO-STAR 浮体式基礎
OO-STAR 浮体式基礎の開発
室蘭市と以下に関する事項において包括連携協定を結び、洋上風力関連産業の展開について、包括的に連携して取り組んでいます。
- ①室蘭港における浮体式洋上風力発電関係の技術開発に関する事項
- ②室蘭市内における洋上風力発電関連産業の展開(地域サプライチェーン構築)に関する事項
- ③室蘭市内における再生可能エネルギー・水素活用のカーボンニュートラルの実現に関する事項
実績・事例詳細
モノパイル施工時の吊荷動揺シミュレーション
洋上風力発電基礎に用いられる杭は、一般的な港湾構造物の杭に比べて非常に大きく重くなります。このような杭を、波浪条件の厳しい沖合の海上で取り扱う必要があるため、作業状況を数値解析および水理実験でシミュレーションし、施工の稼働率算定や工事の安全確保に役立てます。
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杭径約10m、杭長約50m
着床式基礎の流況解析
沖合に設置される洋上風力発電基礎には、大きな波が作用します。数値流体解析(CFD解析)により、モノパイル基礎やジャケット基礎に作用する波を再現し、基礎に働く波力や周辺の流速を求めて、基礎構造や洗掘防止工※の設計に活用します。
※洗掘:構造物周辺で流れが変化することにより,水底地盤の土砂が削り取られる現象
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解析条件:水深15m、波高11m
浮体式基礎の動揺解析
浮体式の洋上風力発電では、浮体基礎と風車、係留設備等を連成した動揺解析が必要となります。大成建設では、信頼性の確認された各種の解析ツールを導入し、既往の水理実験の再現解析や、パラメータスタディを実施しています。これらの解析手法を活用し、安全性や信頼性を確保した浮体基礎の開発を進めています。
OC4(IEA-Wind Task30)の再現解析